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PROFILE

Mieko Aoki

小さい頃、親が湯河原の幼稚園の管理の仕事をしていた。幼稚園を練習会場にしていたバンドがあり、物心ついた頃から音楽が身近だったという。3歳で美空ひばりを真似て歌いだし、湯河原中では合唱部へ入部。高校卒業後に大井町の第一生命に就職した後も、歌への思いは冷めやらず、職場の応援を受けながら都内まで歌の特訓に通った。

当時はまだポピュラー音楽一直線。デパートのイベントに出演したり、NHKのオーディションなどを受けては番組の一部に出るなど声を武器に精力的な活動を続けた。その中で偶然出逢ったのがジャズ。「これまでの歌とは全く違っていたんです。遊びがあって、崩して歌ってもいいんですから」。これまでにない落ち着いた気持ちでマイクを握る自分がいたという。

「趣味なんて歌しかないわ」と恥ずかしそう。旦那さんが芦ノ湖畔の美術館の館長ということもあり箱根が大好き。そして小声で教えてくれたのが「手ぬぐい」コレクション。旅先で買い集めた数は100枚以上あり、これがライブ衣装のアクセントになる。

レパートリーは100曲を超え、洗濯や料理をしながらも自然に歌声〜そんな日々の中で肺がんが見つかった。3年前の事だ。手術後に不安を胸に病院の屋上に立ち、空に向かって声が出たときの幸せが今も原動力になっている。「子どもたちのために歌を残したい。必ずCDを出す」これを目標に抗がん剤治療も乗り越えた。ライブの感想は圧倒的に「癒される」が多いらしい。濃密な半生を声に溶かして、今晩も聴衆を潤している。


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